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Fiction お話

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Virtual Diary 「シンゴ育成日記」 Thu 22 Jul 1999 〜

5月21日(金) 曇り

あれから何日かシンゴは食べては寝て、寝ては食べて・・・を繰り返し、 そしてときどき箱の中をうろうろしたりしていた。
彼は雑食(?)らしくて、わたしの食べるものは何でも欲しそーに眺めるもんだから、 分けてやるととっても美味しそうに食べる。
おまけに小さな体の割にはとんでもない大食漢で、朝から食パン一枚だって軽く食べちゃう。
おかげでひとり暮しなのに食料の減りが一気に早くなってしまった。
こんなに食べるなんて、一体どのくらい大きくなるんだろう?
犬とか猫くらいならいいけど、馬とか牛とか象とか・・・ この部屋に入りきらないくらい大きくなっちゃったらどうしよう?
もしかしたらゴジラみたいに巨大化しちゃったりして。う〜ん。
まぁ、今のところはぜんぜん大きくなる気配はないみたいだけど・・・。
でもいつまでもこのダンボールじゃなぁと思っていた矢先・・・シンゴが突然いなくなった。

今日、学校が終わってうちに帰ってみたら、シンゴのダンボール箱は裳抜けの空になっていた。
中に入れてあったタオルの下にもいないし、ダンボール箱のまわりを見渡してもいない。
部屋の中をきょろきょろしてみたけどやっぱりいない。こんなことは初めて・・・。
でも、窓は全部閉まっているし、玄関もカギをかけて出たから、外には出ていないはず。
そう思って部屋の中をあちこち探してみた。タンスの後とかベッドの下とか押入れの奥まで。
でも、シンゴは見つからない。
ふぅ〜と溜息をついて座り込んで空のダンボールを眺めていたら、どこかでカサコソと音がした。
あれ?とその音のほうを振り向いた瞬間、黒いかたまりがシュルシュルっとすごいスピードで近づいてきたかと思うと、 そのかたまりがゴム毬のようにぽーんっとジャンプしてわたしの膝の上にすとんと落ちてきた。
え?と思った見ると、膝の上ではシンゴがこっちを見てにこっと笑っていたのだ。
その瞬間、わたしがあんまりびっくりして立ち上がろうとしてしまったので、 シンゴは膝の上から転げ落ちてしたたかに顔面をぶつけたみたい。あ〜、ごめ〜ん。
でも、シンゴは顔を押さえながらよろよろと立ち上がってダンボール箱にひょこひょこ近づくと、 ぴょんとジャンプして箱の中に着地した。
確か何日か前はダンボール箱の端っこでぴょんぴょん飛び跳ねて外に出ようとしても、 あとちょっとのところで届かなくてじたばたしてたんだけど・・・ いつのまにあんなにジャンプできるようになっちゃったんだろ?

そのあとシンゴはダンボール箱の中で、 小さなお皿に取り分けた夕飯のミートソーススパゲッティを両手をソースでぐちゃぐちゃにしながら平らげると、 いつもと同じようにタオルにくるまって寝てしまった。
う〜ん、どうしよう?このダンボールじゃもうダメみたいだけど・・・でも、カゴって訳にもいかないし・・・。
ま、明日、もうちょっと様子を見てみよっと。

*ただの言い訳 (26 Oct 1999)*



5月22日(土) 曇り

今朝目が覚めると、いつの間に移動したのか夕べはダンボール箱で寝ていたシンゴがわたしの枕の傍で寝ていた。
ベッドから転げ落ちないように枕に寄り添うように横向きになってひざを抱えて丸くなって・・・。
いつもはちょこんと立っている小さな三角の耳も寝ているときはぺしゃんと寝ていて、 でも、長いシッポだけはときどき思い出したようにぱたんぱたんと動いている。
その姿があんまりかわいいもんだから、ついほっぺをつんつんって突ついてみたけど、 あいかわらず爆睡しているときは全然反応しないのでそのまま寝かせておくことにした。

今日は土曜日で学校はお休み。今日はバイトもはいってないし、 最近はツヨちゃんも仕事が忙しいらしくて、休日出勤とか出張とかで全然デートもしてくれないから、 今日は一日うちでシンゴを観察することにした。
シンゴがどっかに行っちゃったりいたずらしたりしないようなら箱に入れたりしなくてもいいかなぁと思う。
ちなみにツヨちゃんにはシンゴのことは話していない。
だって、誰からだかわからない届け物に入っていたタマゴから生まれた体長15cmの人間の形をした動物なんて、 話しても絶対信じてもらえないだろうし・・・。
だから、そのうち、うちに来たら本物を見せて驚かせてやるんだっ!

そんなことを思いながらベランダで洗濯物を干していたら、足元をするするっと黒い影が走ったような気がした。
その影のほうに目をやると、 開けっ放しにしてあった窓からベランダに出てきたシンゴがその辺をうろちょろ走りまわっていた。
わたしの部屋は一階だから、ベランダから外に出て行こうと思えば出来たと思うけど、 シンゴはそんな様子もなくベランダに置いてあるハーブの鉢植えのまわりをくるくる回ったりしていた。
だから、わたしもそのまま洗濯物干しを続け、終わってから「こっちおいで。」 と声を掛けたらシンゴはわたしのあとについて部屋に入ってきた。

夕方までテレビを見たり学校の課題のデッサンを仕上げたりして過ごしたけれど、 その間もシンゴはわたしの隣で寝そべって足とシッポをパタパタさせながら一緒にテレビを見たり、 クッションの上に大の字になって昼寝をしたりととても大人しくしていた。
ただ、わたしが本を読みながらうとうとしている間にテーブルの上に飛び上がって、 そこに置いてあったクッキーの缶をひっくり返したりはしたけど・・・。 (どうやらうかつに食べ物は置いておけないみたい。)

今日は夜もゆっくり時間があったから、 いつもはシャワーだけで済ませるところをちゃんとバスタブにお湯を張ってお風呂に入ることにした。
わたしがお湯の加減を見に浴室に入ったら、いつのまにかシンゴが後ろからついて来ていて、 すっかり身についたジャンプで軽々とバスタブのふちに飛び上がった。 ・・・でも、驚いたのはそのあと!
わたしが蛇口を回してお湯を止めると、 シンゴはわたしの顔を見上げて嬉しそうな顔でいきなりチャポーンとお湯の中に飛び込んだのだ。
わたしがびっくりしてあんぐりしているのを横目に、 シンゴはむちゃくちゃ嬉しそうに浴槽の中をパシャパシャと泳いでいた。
でも、泳ぎ疲れたシンゴがバスタブから上がろうとしたらバスタブのふちまでは高くて手が届かないし、 ツルツル滑って手を掛けることもできなくて、そのうちバタバタしはじめたのだ。
もしかして溺れてる?と思って慌てて両手ですくいあげると、シンゴはお湯を飲んだらしくてゲホゲホとむせていた。
わたしもびっくりしてとにかくタオルに包んでやったらしばらくしたら落ちついたみたいで、 こっちのほうを見て恥ずかしそうにしていた。
その姿が面白くて、わたしは改めて大笑いしちゃった〜。
それから濡れた洋服をとりあえずドライヤーで乾かしてやったけど、 よく考えたらシンゴってず〜っとこの服を着たきりなんだよね。 何か着替えを用意してあげなきゃ。明日考えよっと。

今日はベッドの中でこの日記を書いているのだけど、シンゴはもう今朝と同じように枕元で寝ている。
どうやらもうここを自分の寝床と決めたみたい・・・。う〜ん、でも、ま、いっか。

*ひとこと (2 Nov 1999)*


(まだもうちょっといけるかな〜?^^;)

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