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2013年02月28日 木曜日

ZIPANG PUNK 五右衛門ロックⅢ大千穐楽によせて

 (今回スマネタは全くありませんので、あらかじめご了承を。)


 「ZIPANG PUNK 五右衛門ロックⅢ」の大千穐楽を観るために大阪へ日帰りしてきました。

 劇団☆新感線の舞台は好きでこれまでもいろいろと観させていただいてきたのですが、今回は三浦春馬さんが客演ということで東京で初日を観劇してから大阪の大千穐楽まで何度かリピート観劇させていただきました。
 春馬さんの舞台は過去2作も観せていただきましたが、どちらも同じ事務所の先輩である地球ゴージャスの舞台。『海盗セブン』が終わったときに「次はぜひ新感線に!」と思っていたので、ゴエロク3のリリースが出たときはこんなに早く願いが叶うものかと小躍りしたものです。
 しかし、今回の新感線は春馬さんにとってはある意味初めての他流試合。彼の舞台役者としての基本的な能力が十分であることは分かっていましたが、やはり初日を観るまでは楽しみな半面かなりドキドキもしておりました。が、初日を観てそんな心配はまったく無用だったと改めて彼の能力に感服。なぜなら、初参加のカンパニーの中でも彼は前作・前々作と変わらず、いえ、それ以上のパフォーマンスを見せてくれたからです。そのことで、演技とか唄とか踊りといった演劇の基礎技術以外に、私たちには見えない裏側で彼がどんな人(組織)にでも融合し、吸収し、発散するという「仕事力」といった能力も持っていることを改めて思い知らされた気がしました。
 それにしても、初日を観て驚いたのは客演の春馬さんと蒼井優さんの出番の多さ。所詮若手役者の客演、という先入観を裏切って、主役の古田さんに負けないほどの出番の多さ。唄も踊りも殺陣も多く、そして、ストーリー的にはコミカルとシリアスの両方の演技を求められる。それを新感線の役者さんたちやベテランの客演の役者さんたちの中で見劣りせずに演じていることに関しては、それをやってのける才能とそこまでに至る相当な努力を感じて改めて頭が下がる想いでした。

 そんな初日から大千穐楽まで、私が劇場に足を運んだ限りでは彼は「明智心九郎光明」という役をかなりの安定感で演じておられました。
 好きな役者さんが舞台に出ることになると、何よりも想うことは「最後まで無事に務められますように」ということ。これは舞台だけではなく、アーティストのライブツアーなどもそうですが、途中で病気や怪我があってはいけませんし、舞台上での技術的なトラブルなども付いて回りますし、期間が長くなれば物理的な健康だけではなくテンションやモチベーションといったメンタルを保つことにも気を使わなければならないでしょう。ちょっとした風邪でも命取り。演劇や音楽の板の上に何度も立ち続けることはそれだけ大変なことなのだと想像します。
 春馬さんはそういう意味ではかなりファンを心配させない「出来の良い(笑)」役者さんだと思います。それもで、調子が悪い時もあったでしょう。でも、それを引きずらす次のシーンへ、次の上演回へと臨む強いメンタルを彼は持っていたと思います。それは舞台役者としては大切な才能。今回の舞台でそのことを改めて認識させられました。
 そうやって初日からかなり高いパフォーマンスを見せてくれた春馬さんですが、それでも回数を重ねる度に更なる成長も見せてくれました。特に回を重ねて変わったと思ったのは、殺陣と演技でしょうか。殺陣は緩急とキメのメリハリが更に付くようになってきたように思いましたし、演技は公演後半に行くに従って表情が柔らかく自然になって、「明智心九郎光明」役にどんどん魂が入っていき、周りの役者さんたちとのバランスが良くなっていったように思いました。

 そして迎えた大千穐楽。
 もともと平日の大千穐楽は予定に入れていなかったのですが、何度か観ているうちに最後の「明智心九郎光明」とそれを終えたあとの春馬さんの表情を見届けておきたいという気持ちが押さえられなくなり、諸々の事情を強行突破することにしました。
 熱い新感線ファンが多くを占める大千穐楽は役者だけでなく、客席も気合十分。そんな客席の雰囲気も伝わってか役者さんたちもいつもよりお祭りのノリが入っているように見えました。
 もちろん春馬さんの演技もチカラの入ったものでした。特に唄の言葉のひとつひとつに気持ちが溢れんばかり。その気持ちが強く伝わってきて涙しそうになりました。
 しかし、カーテンコールで「三浦春馬」に戻った彼はいつも通りの満面の笑顔。その笑顔を見ているとこちらも嬉しくて笑みがこぼれました。最後の最後まで笑顔で終えた春馬さん。初日からの2ヶ月超かなりのしんどさだったと思うのですが、最後に涙することなく満足げな笑顔で終えるところに、このお仕事を心底楽しいと思って過ごしてきたのであろう彼の心の強さを改めて見た気がしました。苦労を苦労と思わず楽しめる。この程度の大変さは春馬さんにとっては笑顔の範疇なんですよね。ならば、この先もあの笑顔でもっともっと高いハードルを次々と越えてくれるのだろう、と感じる強くたくましい笑顔でした。

 最後に大阪まで行こうと思わせてくれたこのお芝居に関わったすべての方々に感謝を。
 そして、春馬さんに改めて敬意と感謝を。あれだけの出番のある舞台を69公演もやり切ったという事実は必ずゆるぎない自信となって今後の仕事の成果として現れるはず。今後の活躍に期待しています。

 (追記)
 唄と踊りが出来ちゃう春馬さん、どうしてもミュージカル系が期待されそうですが、個人的には次の舞台はぜひストレートプレイを。シリアスものとか、不条理ものを希望。そして、映像のお仕事では近い将来ぜひヒール役を。
 (・・・でもその前に、これ以上彼が大人顔になる前に、ブラッディ・マンディの3rdシーズンか映画、クローズZEROⅡの美藤役のその後の映画をまだ密かに願っているのですが。(苦笑))

posted by 真琴 at 22:47 | trackback (0) url: http://sk2.hiho.jp/mt/mt-tb.cgi/34